地無し尺八の製作
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地無し尺八の製作(その1)(2020.1.20)竹材下作り

昨日、タメ直しをした竹材をボウトウを使用して節抜き作業をしました。7本の竹材、祇園寺の山頂で掘った山の竹は腐葉土の中の竹、竹質が柔らかいので、簡単に節抜き作業ができましたが、岩場の上に生えていた竹は、竹質が堅くて、万力に竹材を固定して、ボウトウのハンドルを両手で、力任せに回さないと、節は抜けませんでした。中の節抜き作業には、120cmの長いガリ棒を使用しました。
竹の節抜き作業(クリックで画像を拡大)
堅い竹は万力で固定して(クリックで画像を拡大)
節抜きが終わった竹材(クリックで画像を拡大)
ガリ棒での節抜き(クリックで画像を拡大)

地無し尺八の製作(その2)(2020.1.20)竹材下作り

蒼龍会の岡本竹外氏門下は、入門したら桜井無笛作か、門田笛空作の地無し管を購入して古典本曲を習いました。私も門田笛空作の地無し2尺3寸管を購入して本曲を習いました。そのため、蒼龍会は、この地無し管の律を基本にしています。門田笛空作の地無し管は、歌口の下の外周は12.5cmなので、竹堀の時は、外周が12.5cmから14.0cmのものを掘ることにしています。今回の7本の竹材、節抜き後、重量測定をしましたが、私が貴賓のある音味が出せる竹材の重量の最低基準600グラムを超えるものは2本、破れ障子のような音がでる500グラムに満たないものが2本ありました。500グラムから600グラムのものは、地無し管としては普及品でしょうか。参考までに門田笛空作は現在480グラムしかありません。これまで私が製作した地無し2尺3寸管で最も重いのは現在、大浦玄外氏が所蔵しています730グラムのものです。この尺八は外径は、かなりの太さですが、あまりに肉厚のため、内径は意外と小さいので、息受けはあまり良くありません。
ガリ棒での節抜き(クリックで画像を拡大)
竹材の重量の測定(クリックで画像を拡大)
それぞれの竹材の重量を記録(クリックで画像を拡大)
歌口下の外周の測定(クリックで画像を拡大)

地無し尺八の製作(その3)(2020.1.20)竹材下作り

地無し管の手穴の位置を決めるのに、歌口から下の内径の寸法が大変に重要なので、門田笛空作の内径は25mmを基本にして、内径が太いものは、手穴の位置を上部にずらします。キャリパを使用しての内径測定数値を、それぞれの竹材の表に書き込みました。
キャリパで内径の測定(クリックで画像を拡大)
キャリパで内径の測定(クリックで画像を拡大)
それぞれの竹材に測定値を貼り付け(クリックで画像を拡大)
それぞれの竹材に測定値を貼り付け(クリックで画像を拡大)

地無し尺八の製作(その4)(2020.1.20)竹材下作り

内径の測定数値を参考に、それぞれの竹材の手穴の位置を書き込みました。門田笛空作の地無し2尺3寸管を購入して42年の歳月が過ぎました。長年の吹き込みで、柔らか音味で息受けも申し分もありません。ただ、もぅと貴賓のある音味を求めるならば、650グラム以上ある堅くて重い竹が必要になります。
門田笛空作の地無し管(クリックで画像を拡大)
歌口部分の切り込みを(クリックで画像を拡大)
歌口部の切り込み(クリックで画像を拡大)
内径を考慮して手穴の位置を決めた(クリックで画像を拡大)

地無し尺八の製作(その5)(2020.1.20)竹材下作り

歌口部分はスリを使用して修正をしました。その後、手穴の位置、キリを使用して下穴を開けました。
歌口部分の修正(クリックで画像を拡大)
手穴の位置をキリで穴あけ(クリックで画像を拡大)
手穴の位置をキリで穴あけ(クリックで画像を拡大)

地無し尺八の製作(その1)(2020.1.19)竹材下作り

物置から3年前に掘った竹材の中から2尺3寸管用の7本を出して、地無し管の製作を始めました。一節長く切っていた竹材の余分な部分を切断し、管尻の根の部分も、定尺になるよう切断しました。
7本の竹材を準備しました(クリックで画像を拡大)
余分な部分を切断(クリックで画像を拡大)
余分な部分を切断(クリックで画像を拡大)
管尻部分も切断(クリックで画像を拡大)

地無し尺八の製作(その2)(2020.1.19)竹材下作り

2尺3寸管の寸法に切断した竹材、管尻の穴の開口には1円玉を使用して、鉛筆で書き込みました。その後、素性の悪い竹材は、特製のため修正器具を使用して修正をしました。私の地無し管は、堅くて肉厚の竹材を使用しているので、堅い竹を曲げるために、友人が設計・製作をしてくれた器具です。根元の
部分でも簡単に曲げることができます。
定尺にした竹材(クリックで画像を拡大)
管尻の開口は1円玉を使用(クリックで画像を拡大)
管尻の開口部を書き込む(クリックで画像を拡大)
竹材の修正(クリックで画像を拡大)

地無し尺八の製作(その3)(2020.1.19)竹材下作り

素性の悪い竹材は、タメ直し器具で修正しました。
竹材の修正(クリックで画像を拡大)
竹材の修正(クリックで画像を拡大)
竹材の修正(クリックで画像を拡大)

地無し尺八の製作(2020.1.13)竹材天日干し

1月12日、油抜きを終えた竹材を2階ベランダに並べて天日干しを始めました。2月末までベランダに置いた後、庭の物置きの中で保管します。昨年の11月に掘って油抜きした竹材は、すでに色も脱色しています。岩盤の上に生えた竹ばかりを掘りましたが、すでに軽くなった竹材もあります。地無し管は、堅い竹と重さが重要になります。軽くなったものは、庭の生垣になってしまいます。
2階ベランダに並べた竹材(クリックで画像を拡大)
反対側に並べた竹材(クリックで画像を拡大)

地無し尺八の製作(その1)(2020.1.11)油抜き作業

1月9日、実家のある岡山県高梁市から竹材45本を車に積み込み、10時間運転して、神奈川県川崎市の自宅も戻りました。実家で油抜きが出来なかった17本の竹材の油抜き作業、川崎の自宅には練炭コンロしかないので、七輪や備長炭に点火する樫炭などを通販で購入、1月11日の午前中に道具が準備できたので、午後2時から備長炭の火おこし作業を開始、2時30分に備長炭に着火したので、油抜き作業を開始しました。
米袋に入れ持ち帰った竹材(クリックで画像を拡大)
まずは樫炭に着火(クリックで画像を拡大)
樫炭に着火したの備長炭を入れる(クリックで画像を拡大)
竹材の油抜き作業(クリックで画像を拡大)

地無し尺八の製作(その2)(2020.1.11)油抜き作業

1本の竹の油抜きに15分もかかるので、午後5時を過ぎ日没となり、ランタンの灯りでの油抜き作業となりました。午後6時に17本の油抜き作業が完了しました。今回、岡山から持ち帰った竹材45本、油抜き終わり、あとは天日干しだけです。
備長炭での油抜き(クリックで画像を拡大)
油抜きが完了した竹材(クリックで画像を拡大)
油抜きが完了した竹材(クリックで画像を拡大)

地無し尺八の製作(その1)(2020.1.6)竹堀作業・根回りの始末

2020年1月6日、岡山県北部に今年1回目の竹掘りに出掛けました。今回も斜面の岩盤の上に生えた竹を選びました。新潟三条の山芋堀のノミはグラインダーで刃先を研いで出かけましたが、竹の根元は砕石なので、すぐに刃先は丸くなってしまいました。腕力勝負でなんとか午後2時までに17本を掘って終了しました。実家まで40キロ走行、午後3時に帰宅しました。その後、午後5時までに竹の根回りの始末をしました。竹材は、車に積載して、9日に神奈川県川崎市の自宅に持ち帰り、油抜き作業の後、天日干しです。

岩盤の上の竹(クリックで画像を拡大)
岩盤の上の竹(クリックで画像を拡大)
岩盤の上の竹(クリックで画像を拡大)
実家に持ち帰った竹材(クリックで画像を拡大)

地無し尺八の製作(その2)(2020.1.6)竹堀作業・根回りの始末

山の腐葉土の中に生えた竹は簡単に掘ることが出来ますが、油抜きをして1年が過ぎれば、竹の重量は軽くなり、地無し管の音味を求める世界から逸脱し破れ障子のような響きになってしまいます。岩盤の上に生えた竹は、水を上げていないので、材質は堅くて、乾燥した後も、重量は減ることがありません。
地無し管の生命線は、堅い材質と重さのある響きが出せることです。竹堀も我慢をして、コツコツと根の周りの石をたたいて、竹を引き抜くことが大切です。
竹の根回りの始末(クリックで画像を拡大)
完了した竹材17本(クリックで画像を拡大)

地無し尺八の製作(その1)(2019.12.24ー25)竹堀作業・油抜き作業

2019年12月24日、今年2回目の竹掘りに出掛けました。今回も斜面の小石の中に生えた竹を選びました。新潟三条の山芋堀のノミはグラインダーで刃先を研いで出かけましたが、竹の根元は砕石なので、すぐに刃先は丸くなってしまいました。腕力勝負でなんとか午後3時に16本を掘って終了しました。実家まで60キロ、山道の峠越えをして午後5時に帰宅しました。25日は、午前中に竹の根回りの始末。根の間は小石なので、切断するノコは、すぐに切れなくなってしまいました。
車に積み込んだ竹材(クリックで画像を拡大)
16本の竹材(クリックで画像を拡大)
根回りの始末(クリックで画像を拡大)
根回りの始末(クリックで画像を拡大)

地無し尺八の製作(その2)(2019.12.24ー25)竹堀作業・油抜き作業

根元の切断が完了した。切断した根回りは小石で、かなりの重量です。午後から七輪で樫炭に着火した後、備長炭を入れて火が着いてから油抜き作業を開始しました。最初は、胡弓の弓に使用する、太い肉厚の真竹、2本の油抜きを済ませてから、竹材16本の油抜きをしました。午後5時にすべて完了して、2階のベランダに並べて天日干しをしました。前回の竹材は、天日干しですでに黄色くなっています。
根元を切断した竹材(クリックで画像を拡大)
備長炭での油抜き(クリックで画像を拡大)
2階ベランダに並べた竹材(クリックで画像を拡大)
2階ベランダに並べた竹材(クリックで画像を拡大)

錦風流尺八の製作(2019.12.7)

上段の写真
正面から見て左から折登如月作、地無し延べ管1尺8寸管(360グラム)、2番目は折登如月作、地無し中継ぎ2尺管(350グラム)、その右側6本は私の製作しました地無し延べ管2尺2寸管です。左から1番目は、茶色の竹材、肉厚ですが、すこし枯れ竹(510グラム)、2番目は平竹で太い(550グラム)、3番目は錦風流本曲CD作成に使用しました平竹(520グラム)、4番目は先月、鎌倉建長寺法堂での獅子の献奏に使用しました少し角な竹(563グラム)。建長寺での献奏大会の一か月前から製作、籐巻が完成したのは献奏大会の4日前でした。法堂の天井に描かれた龍に共鳴するような音味が出せる竹材を使用しました。5番目は丸竹(568グラム)来年の10月18日、神戸湊川神社能舞台で錦風流獅子の献奏を依頼され、それに使用する尺八の製作をしました。丸くて肉厚で重い竹なので、良き音味が出ます。後は毎日の吹き込みでしょうか。6番目、右端ですが丸竹(635グラム)こんな竹材は、もう見つけることは出来ないと思います。まさに剛管でしょうか。1曲ならば、丹田で押すことができますが、腹が緩めば、律が下がってしまいます。音味は、どの尺八も遠く及びません。2年前、デンマークでの尺八サマースクールで教会でのコンサートに獅子の演奏に使用しました。如月作の1尺8寸管、竹が太いので1尺7寸9分で製作されています。竹質がいいので、良き音味がでます。その右の如月の地無し中継ぎの2尺管、如月の焼き印が2個、肉が薄くて、中継ぎなので、竹の繊維が途中で切断され、下半身の響きは全くありません。竹全体を鳴らす奏法には残念ながら失格です。錦風流の奏法は丹田で竹の中に圧力をかけて、管尻から音を押し出す奏法。押し出した息の残りをコミ息にします。ユリなどでコミ息の代用をする人もいますが、津軽の豪快な奏法とは別物です。逆複式呼吸法で丹田の力で押し出す遅い速度の息を尺八内部に押し込み、中の空気柱を壊さないように管尻から押し出すことにより、迫力あり音が出せます。空気砲と同じで、空気振動を遠くまで到達させます。歌口を力任せに吹く奏法とは、まったく別の奏法になります。そのため、地無し管は息受けで勝負が決まります。錦風流用の地無し2尺2寸管、津軽3名人の一人、津島孤松師の弟子で、津軽の猿賀神社宮司でした山谷孤山氏が愛用されました折登如月作の地無し延べ管2尺2寸管を参考に、私は錦風流用の尺八を製作をしています。

下段の写真

鎌倉建長寺法堂での錦風流獅子の献奏
錦風流に使用する尺八(クリックで画像を拡大)
鎌倉建長寺法堂での獅子の献奏(クリックで画像を拡大)

地無し尺八の製作(その1)(2019.11.6)竹堀作業

2019年11月6日、今年1回目の竹掘りに出掛けました。歌口下部の周囲が13cm以上の太いものだけを選びました。急斜面の岩場に生えた竹は、水分をあげていないので、肉厚であり、乾燥しても重量はほとんど変わりません。竹を掘るというより、石をたたいて竹を取り出すと表現した方が正しいかも知れません。
急斜面の生えた竹(クリックで画像を拡大)
安全のため保護帽を着用(クリックで画像を拡大)
石の隙間から生えた竹(クリックで画像を拡大)
石の隙間から生えた竹(クリックで画像を拡大)

地無し尺八の製作(その2)(2019.11.6)竹材の処理

掘り出した竹材の根は、小石が間にあるので、まずは石を取り除き、その後、ノコで切断します。地無しの生命線は、地付き管のように中継ぎで繊維を切断すれば、下半身不随となり、下半身はまったく響きがなくなります。また、完成した地無し管、私たちは、2尺3寸管を標準管としていますが、尺八の重量が600グラムを超えるものは、貴賓のある音味の響きになりますが、それ以下のものは、どうしても破れ障子のような響きになってしまいます。なるべく、岩場に生えて、水を吸い上げないで成長した肉厚の竹が最良です。竹堀に使用しています、新潟三条の山芋ほりのノミ、購入して40年が過ぎました。木製の柄では軽すぎるので、水道用の鉄管を柄に使用しています。岩場の竹を掘ると、すぐに刃先の鋼は丸くなってしまいます。
根の周りは小石(クリックで画像を拡大)
根の周りは小石(クリックで画像を拡大)
新潟三条の山芋堀のノミ(クリックで画像を拡大)
新潟三条の山芋堀のノミ(クリックで画像を拡大)

地無し尺八の製作(その3)(2019.11.6)竹材の処理

まずは竹の根の間の小石をドライバーで取り除く。竹の根は剪定ばさみで切断し、太い根はノコで切断します。
竹の根回りの始末をする(クリックで画像を拡大)
竹の根回りの始末をする(クリックで画像を拡大)
竹の根回りの始末をする(クリックで画像を拡大)
根の部分(クリックで画像を拡大)

地無し尺八の製作(その4)(2019.11.6)竹材の処理

竹の根を切断し後、七輪に樫炭を入れて着火し、樫炭に火が着いたら、備長炭を入れて着火するのを待つ。備長炭に火が着いたら、竹材の油抜き作業を開始。今回は、備長炭の着火したのが、午後4時、それから12本の油抜きを終了したのは、日没後の午後6時30分でした。油抜きの後、2階ベランダで天日干しにしました。11月7日の竹処理作業を済ませて、11月8日に、岡山県高梁市の実家から、神奈川県川崎市の自宅に戻りました。次回の竹堀は、12月20日に岡山に帰省した後になります。
切断した根(クリックで画像を拡大)
根回りがきれいになった竹材(クリックで画像を拡大)
油抜き作業(クリックで画像を拡大)
油抜き作業(クリックで画像を拡大)

地無し尺八製作(2019.8.31)新しく製作した地無し管に籐を巻く(その1)

7月28日に製作した地無し管に、籐巻作業をしました。3厘籐を50本、面取りをして準備をする。その後、6本の地無し管に総籐巻作業をしました。
3厘籐の面取り作業(クリックで画像を拡大)
3厘籐の面取り作業(クリックで画像を拡大)
面取りをした3厘籐、50本(クリックで画像を拡大)
籐巻作業を開始(クリックで画像を拡大)

地無し尺八製作(2019.8.31)新しく製作した地無し管に籐を巻く(その2)

籐巻が完了した尺八は、この後、籐の表面に漆を塗り、室で乾燥させます。すでに養生のビニルテープを巻いて漆塗装の準備は完了。
籐巻が完了した尺八(クリックで画像を拡大)
籐巻が完了した尺八(クリックで画像を拡大)

地無し尺八製作(2019.7.28)新しく製作した地無し管

昭和53年10月、岡本竹外先生に入門して以降、自分で製作してきました地無し管が、約400本和室の尺八棚に並んでいます。東日本大震災の時も、地震で棚が倒壊することもなく、今日まで尺八を支えています。6月、ヨーロッパの旅から帰り、少しづつ地無し管の製作をしていましたが、今日、やっとのこと12本が完成しました。2尺6寸管から1尺9寸管までです。写真の中央の中継ぎの2尺管は、津軽錦風流尺八の大半を製作しました折登如月作の地無し管です。津軽弘前に残る折登如月作の中では、細見のものです。私の錦風流用地無し2尺管は、如月作の太いものを基準に製管しています。すでに尺八棚は満杯の状況なので、段ボール箱にでも立てかけて保管するしかありません。この中で、息受けの良いものは、後日、総籐巻をする予定です。
これまでの製作した地無し管(クリックで画像を拡大)
7月28日に完成した地無し管(クリックで画像を拡大)

地無し尺八の製作(その1)(竹材の下処理)12月25日~26日

25日は、持ち帰った竹材の根回りから処理を開始、根の周りは小石なので鋸刃がすぐに切れなくなり鋸刃を用意して交換しながら、21本の竹の処理が完了しました。26日は、七輪に備長炭を用意して竹の油抜き作業を午前10時から開始しました。夕方4時に21本すべて完了しました。
持ち帰った竹材21本(クリックで画像を拡大)
根回りを切断する(クリックで画像を拡大)
きれいになった竹材(クリックで画像を拡大)
備長炭を使用し油抜き(クリックで画像を拡大)

地無し尺八の製作(その2)(竹材の下処理)12月25日~26日

先月、高梁市巨瀬町祇園寺の竹林で掘った竹材21本、今月掘った竹材21本、合計42本の竹材が確保できました。祇園寺の竹はすでに一か月天日干しにしているので、白く見えます。年明けに車に積んで、岡山県高梁市の実家から神奈川県川崎市の自宅に持ち帰り、本格的に天日干しをします。肉厚で重い竹材も来年2月になれば材質の良否がわかってきます。駄目なものは、庭の生垣になってしまうでしょう。
今年の竹材(クリックで画像を拡大)
今年の竹材(クリックで画像を拡大)
竹材の天日干し(クリックで画像を拡大)

地無し管の籐巻(2018.7.10)

地無し管も明暗本曲を吹くのと、錦風流を吹くのでは息受けが全く違います。
下段の4本の尺八は錦風流用に製作したしたものですが、右端は弘前の折登如月作の地無し1尺8寸管です。左端は、2尺2寸管、その隣が、2尺1寸管、その右側は2尺管、いずれも重くて硬い材質の剛管です。錦風流を吹くならば、息受けが良くなければ、込み息も出すことが出来ません。腹で尺八内部に押し込んだ息の残りをコミ息にするので、現代管のように口先で鳴らす道具では、本物の
奏法は出来ません。左端の2尺2寸管で650グラムあります。
2尺1寸管、1尺9寸管に籐巻して漆塗り(クリックで画像を拡大)
籐の表面の漆を落として仕上げ(クリックで画像を拡大)
錦風流用地無し管(クリックで画像を拡大)

地無し尺八に飾り籐を巻く(2018.4.8)(その1)

地無し3尺2寸管に弓の飾り籐を巻きました。通常ならば3厘籐を面取り加工して尺八に巻きますが、今回は太い3尺2寸管に幅広の皮籐を巻きました。東北系の地無し管には、この渦巻形の飾り籐が巻かれています。私の所蔵する東北系の地無し2尺管にも、この渦巻形の飾り籐が巻かれて、その上に漆が塗られています。前回は愛用の3尺管に3厘籐で渦巻形の飾り籐を巻いて、その上に弁柄入りの漆を塗りました。写真の尺八は、左から琴古流1尺8寸管、東北系の地無し2尺管、錦風流用地無し2尺管、地無し3尺管、地無し3尺2寸管。琴古流尺八が小さく見えます。
1尺8寸管から3尺2寸管まで(クリックで画像を拡大)
ゴロ節下に渦巻形の飾り籐を巻く(クリックで画像を拡大)
古管に巻かれた飾り籐(クリックで画像を拡大)
左は3厘籐、右は2.5mmの籐(クリックで画像を拡大)

地無し尺八に飾り籐を巻く(2018.4.8)(その2)

太い3尺2寸管に幅広の2.5mmの皮籐を巻いたらどうなるか試しに巻きましたが、尺八が太いので違和感はありませんでした。この上に漆を塗って仕上げます。
歌口下の飾り籐(クリックで画像を拡大)
自宅前で飾り籐を巻いた3尺2寸管を手に(クリックで画像を拡大)

地無し尺八に飾り籐を巻く(2018.3.25)

製作して15年が過ぎた愛用の地無し3尺管の籐巻、ゴロ節下に古管尺八の籐巻を参考にして、新しく渦巻形の飾り籐を追加し、さらに全体の籐に弁柄入り漆を上塗りをしました。時間が過ぎれば、弁柄の色が落ち着いて味わいのある光沢がでるのではと思います。(使用した飾り籐は3厘籐で面取りは自分で加工)

地無し3尺管の籐巻(クリックで画像を拡大)
ゴロ節の下に弓の飾り籐を巻く(クリックで画像を拡大)
古管尺八の飾り籐と紐で巻き方を試す(クリックで画像を拡大)
自宅前の桜が満開になった(クリックで画像を拡大)

地無し尺八の製作(その1)(2017.12.23)竹堀作業

2017年12月23日、今年3回目の竹掘りに出掛けました。先月までにすでに21本を掘っていたので、今月23日で終了にしました。歌口下部の周囲が13cm以上の太いものだけを選びました。急斜面の岩場に生えた竹は、水分をあげていないので、肉厚であり、乾燥しても重量はほとんど変わりません。ただ、掘るには石を腕力でたたくので、新潟三条の山芋堀ノミの鋼の刃先もすぐに丸くなってしまいます。地無し管を力任せに吹けば、どんな竹材でも同じように聞こえて違いはわかりませんが、逆複式丹田呼吸法により、静かに息を尺八内部に入れて鳴らせば、竹質の違いはすぐにわかります。岡本竹外先生門下は標準管として地無し2尺3寸管を使用していますが、私の製作したもので重いものは700グラムを越えるものもあります。500グラム以下のものは、破れ障子のような響きになります。
石の間に生えた真竹(クリックで画像を拡大)
急斜面に生えた真竹(クリックで画像を拡大)
竹の根元は石ばかり(クリックで画像を拡大)
12月23日は16本(クリックで画像を拡大)

地無し尺八の製作(その2)(竹材の下処理)12月24日~25日

24日は、持ち帰った竹材の根回りから処理を開始、根の周りは小石なので鋸刃がすぐに切れなくなります。鋸刃を交換しながら、なんとか16本の竹の処理が完了しました。25日は、七輪に樫炭で火を起こして温度が上昇したところに備長炭を入れて着火をして、いよいよ油抜き作業に入りました。備長炭を使用すれば、真竹の内部まで熱が入り、油が内部よりにじみ出てきます。これを雑巾でふき取りながらの作業、16本で3時間ばかりかかりました。
持ち帰った真竹(クリックで画像を拡大)
根回りを処理した真竹(クリックで画像を拡大)
樫炭に点火した後、備長炭を入れる(クリックで画像を拡大)
油抜き作業を始める(クリックで画像を拡大)

地無し尺八の製作(その3)(竹材の下処理)

油抜きが終わった竹材を2階ベランダで太陽のもとで天日干しにする。先月の竹材はすっかり色も変わりました。これで37本の竹材が準備できました。中央の古管尺八は地無し2尺管ですが、周りの竹材がいかに太くて長いかがわかります。1尺7寸管から3尺管までの竹材です。
ベランダに並んだ竹材(クリックで画像を拡大)
ベランダに並んだ竹材(クリックで画像を拡大)

2017年11月3日 地無し管用の竹材の処理(その1)

2017年11月3日、今年も地無し管の竹材を掘ることが出来ました。例年ならば年末ですが、今年は11月に竹堀をすることが出来ました。全部で21本になりました。年末には、また3日ばかり竹堀を予定しています。歌口下部の周囲が13cm以上の太いものだけを選びました。急斜面の岩場に生えた竹なので、肉厚であり堅い材質。乾燥しても重量が減らない竹です。根回りの始末をするのに、小石を切るので、鋸刃が次々と駄目になり大変でした。
持ち帰った竹材(クリックで画像を拡大)
根回りの始末(クリックで画像を拡大)
根を切った竹材(クリックで画像を拡大)
小石が食い込んだ竹の根(クリックで画像を拡大)

2017年11月3日 地無し管用の竹材の処理(その2)

根切り作業の後、備長炭を使用して油抜き作業をする。油抜き作業が終わったらベランダで天日干しに。古管尺八・地無し2尺管が小さく見え、いかに竹材が太いかがわかります。(口先で吹く尺八でなく、丹田の力で鳴らす尺八なので内径が太いのが特徴)
油抜き前の竹材(クリックで画像を拡大)
備長炭で油抜き作業(クリックで画像を拡大)
油抜きの後、天日干しをする(クリックで画像を拡大)

平成28年12月30日 地無し管用の竹材の処理

平成28年12月23日、今年も地無し管の竹材を掘ることが出来ました。例年ならば3日間ですが、今年は1日だけになり、全部で23本になりました。歌口下部の周囲が13cm以上の太いものだけを選びました。門田笛空作の地無し2尺3寸管の歌口下部の周囲が12.7cmなので、それより太い竹材です。急斜面の岩場に生えた竹なので、肉厚であり堅い材質。乾燥しても重量が減らない竹です。1月7日に岡山県高梁市の実家から、神奈川県川崎市の自宅に持ち帰り、これから本格的な天日干しです。
竹の根回りの処理(クリックで画像を拡大)
根回りの処理が完了(クリックで画像を拡大)
備長炭による油抜き作業(クリックで画像を拡大)
油抜きのあと天日干し(クリックで画像を拡大)

錦風流用・地無し2尺2寸管について(2016.7.18)

錦風流用・地無し2尺2寸管について
錦風流尺八の宗家では、2尺管を使用することが伝えられてきましたが、地元の弘前では、2尺2寸管も使用されてきました。2尺管に比べて、2尺2寸管の音味はすばらしいものがあります。私の製作しています2尺2寸管は、青森で活躍されました津島孤松師愛用の太い2尺2寸管及び、津島孤松師の弟子であり、秩父宮殿下の前で御前演奏をしました山谷孤山師愛用の2尺2寸管をモデルにしています。地無し管には竹質が音味に大きく影響をします。写真の尺八は、左から紹介しますと、一番左が丸竹で重量が503グラム、歌口部の内径が2.8cm、その次が模様のきれいな平竹で重量が492グラム、歌口部の内径が2.9cm、三番目が平竹で重量が532グラム、歌口部の内径が2.8cm、四番目は細身の丸竹で重量が579グラム、歌口部の内径が2.5cm、五番目は細身の丸竹で435グラム、歌口部の内径が2.5cm、六番目は太い丸竹で553グラム、歌口部の会計が3.0cmです。通常の尺八に比べれば、いかに太いかがわかります。錦風流用の尺八は明暗とは違い、音の切れ味が要求されます。波浪息によるコミ息は、内径が細いものでは、味をだすことが出来ません。それならば太いものならばいいかと言えば、軽い材質のものでは、音味が平凡なものに聞こえます。平竹の尺八は、やたら息受けが良くて大きな音がしますが、この音味は破れ障子のようなもので、味がなく音だけが大きく響きます。一番左の丸竹は、音味と材質は申し分ないですが、残念ながら内径が少し細いので、どことなく息が詰まるような感じで狭いような音の響きに聞こえます。左から二番目の竹は、模様はいいのですが、材質は腐葉土の山に生えていたもので、繊維に締りがなくて、どことなく平凡な音味です。三番目は平竹で岩場に生えていた竹なので、材質は堅くてすばらしいものですが、断面が平竹 なので、息受けが良くて、ばりばりと気品のない大きな音が響きます。左から四番目の竹は、細見で岩場に生えていた竹、重量は一番重くて、材質は最高ですが、内径が細いので地付き管のような響きがして、地無し管の味が出ません。左から五番目の竹は、製作から30年が過ぎているので、音味は柔らかくていいのですが、内径が細いので、コミ息などの空気の気柱の動きが出せません。一番右は35年前に製作したもので、材質は堅くて、これらの尺八の中では、一番の音味ですが、内径が広すぎて、曲の演奏になれば音のバランスをとるのに大変苦労します。錦風流用の地無し管で一番重要なことは、息受けです。二番目が材質でしょうか。平竹や細身の竹では、独特の味わいを出すことが出来ません。これからも、新しい尺八製作に限りない挑戦が続きます。
錦風流用地無し2尺2寸管(クリックで画像を拡大)

錦風流地無し2尺管の製作(2016.5.28)

錦風流尺八としては、地元弘前では、明治時代から折登如月師作のものが使用されてきました。青森市内で活躍されました津島孤松師や門下の方々も折登如月作を使用し、今日でもその尺八が弘前では残されています。但し、昭和10年頃からの折登如月師作の2尺管は地付きで中継ぎのものが大半をしめています。地付き管は、音味も悪く、ただ大きな音が出るだけで、錦風流本曲を吹いても味わいは出せません。現在、弘前の錦風流伝承会の皆さんは、私が製作しました地無し2尺管を使用し稽古に励んでいます。今回も、広島県産の堅い竹材を使用して、折登如月師作の寸法を参考に製作した地無し2尺管です。すべて籐巻作業をし、完成したものです。 
錦風流用地無し2尺管(クリックで画像を拡大)

地無し管の籐巻作業(2014.7.30)

地無し管の製作が完了したら、籐巻作業に入ります。3厘籐の面取り作業をした後、尺八に籐を巻いていきます。籐巻が完了したら、漆塗りの前に、ビニルテープで養生をして準備が完了です。
籐の面取り作業(クリックで画像を拡大)
籐巻作業(クリックで画像を拡大)
籐巻が完了(クリックで画像を拡大)
籐巻が完了(クリックで画像を拡大)

地無し管の籐巻に漆を塗る

籐巻作業が終わった後に漆を塗り、乾燥が終わった状態。その後、籐の表面の漆を落として磨けば地無し管は完成する。
籐表面の漆が乾燥した(クリックで画像を拡大)
完成した地無し管(クリックで画像を拡大)

平成27年12月26日の竹材処理

平成27年12月24日、25日と地無し管用竹材を掘りに広島県まで出かけました。今回の竹材、かなり太いものばかりで、2尺3寸管から3尺管までのものが大半でした。古管尺八の2尺管と比較すれば、いかに竹材が太いか確認できます。油抜き作業も、ガスコンロなどでは竹の外面ばかり加熱してしまいますが、備長炭を使用すれば遠赤効果により、竹の内部も過熱され、油が表面に湧き出します。この油を拭い取ることが大切なことです。油抜きが終れば、天日干しをして竹の外面の脱色ができます。岩場の堅い竹でも、一か月くらい乾燥させれば、地無し管に使用できるものか判断ができます。
真竹の根回りをきれいにする(クリックで画像を拡大)
根の不要な部分を除去した状態(クリックで画像を拡大)
備長炭を使用して油抜き作業(クリックで画像を拡大)
油抜きした竹材を天日干しする(クリックで画像を拡大)

地無し尺八の製作と音味の比較

広島県産の岩場の竹材で製作した地無し管の2尺3寸管の音味の比較をしました。逆腹式呼吸法により、丹田からの緩やかな息の流れを、喉を十分に開口して、尺八の内部に圧力をかけると、竹質の違いによる音味の違いを聞きわけることができます。現代管のように、口先から早いスピードの息を歌口に吹きつけても、ただ大きな音が歌口部分でするだけで、竹の本当の音味は聞くことが出来ません。今回、それぞれの尺八を比較すれば、700グラムの尺八は、竹質が堅くて肉厚なので、味わいのある響きを聞くことができました。600グラムの尺八は、700グラムの尺八よりは、少し細いですが、材質は堅くて、製作中に歌口部分にやすりをかけても、滑るような堅さでした。音味も堅い味わいのある音を聞くことが出来ました。500グラムの尺八は、肉厚ですが重量が軽いので、吹いてみると大きな音がでますが、破れ障子のような、魅力のない音が大きく響くのが聞き取れました。 最後の古管の2尺管は、昔の虚無僧が吹き込んだ尺八なので、柔らかい江戸時代の音味を楽しむことが出来ました。地無し管の製作の楽しみは、大きな音が鳴ることではなく、それぞれの竹材の違いによる音味を楽しむことでしょうか。ただ、現代管のように、歌口を吹いて鳴らす奏法ではなく、尺八内部の空気柱を動かして音にするので、尺八の下部から音が押し出されるので、吹いている本人には残念ながら、この音味の違いを聞き分けることが出来ません。門下の、きちんとした奏法が出来る方に協力してもらい、その管尻からでる音を聞いて初めて判断することが出来ます。竹の全体を響かせて鳴らす奏法では、中継ぎの尺八のように、竹の中央で繊維を切断したものは、下半身不随になり、尺八の上部しか響かないので、残念ながら、尺八の上半分しか役目をしていません。こうなれば地付き管にするしか仕方がないでしょうか。
700グラムの2尺3寸管(クリックで画像を拡大)
600グラムの2尺3寸管(クリックで画像を拡大)
500グラムの2尺3寸管(クリックで画像を拡大)
古管尺八2尺管(クリックで画像を拡大)