地無し尺八と釈尊の呼吸法
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大安般守意経学ぶ

故・岡本竹外先生の吹禅指導の中にテキストとして「釈尊の呼吸法」大安般守意経に学ぶ(村木弘昌著)がありますが、地無しの太くて長い尺八を吹く場合は口元や肩、腕の力をいかに抜いて自然体で扱うかが問題となります。大法輪の中で、この大安般守意経について天祐寺住職 須田道輝氏が、わかりやすく解説していますので、参考に一部を記載します。釈尊は3か月間、安那般那の念をもって座禅し、入息出息の呼吸による修行法を悟ったと述べられ、安那守意の禅定を開示されたのが、この経典です。「安般」は、安那般那(アーナ+アパーナ)という音写語を略した言葉で、安那(アーナ)とは入息、般那(アパーナ)は出息の意味です。「守意」は、言語はサテで、これは「念」とも訳される語であり、心を集中するという意味です。つまり「安般守意」とは、座禅中に入る息・出る息に心を集中することになります。釈尊は、次のように述べられておられます。「この安那般那の念を心にかけて座禅するならば、身体は疲れることを知らないし、眼も心も患うことなく、真実を見すえて、安らかに生きることができると同時に、迷いを離れ
禅定の境も深まり、神通の力も増大する。」安般守意の呼吸の特長は、「出息は長く、入る息は短く」という呼吸法です。息を長く出す時「ー」とえ、吸うときは短く自然に吸い、また出息するとき「二」と数え、順次十まで数え、数え終わったなら、再び一に戻って、二、三、四、と続けて数えます。これが数息の法です。出息長の呼吸法は、出来る限り息を静かに長く吐き出すことが基本です。それには身体を真直ぐに伸ばして座することが大切です。「大安般守意経」には、「身曲がりて息を得ざれば、身の過となす」と述べられています。その時の呼吸は自然に腹式呼吸になりますが、息を静かに、ゆっくりと出す時、腹部(丹田)に軽く力が加わるように息を吐くのが好ましい呼吸です。道元禅師も「大乗調息の法は、息丹田に至り、また丹田より出ず」と述べられています。この時、意識的に丹田に力を入れ過ぎると
横隔膜に負担がっかり、逆効果になります。すべて自然にあるがまま、なるがままが最善です。むやみに人工を加える呼吸法は感心しません。「出息に意を守る」ことが安般守意の呼吸法です。最後に安般守意の優れた点を整理しますと
1.身心は患うことがなく、安らぎを得る。
2.心の混乱が消え、迷いがなくなる。
3.禅定が深く進み、悟りに至る。
4.出入の息を観じて、生死の実相を知る。(呼吸の出入りは、そのまま生と死との切り替えしであることを観ずる)。
5.行息は意をして「空」に向かわしめる)息そのものに色形はない。その無なる息の出入りは、そのまま生命そのものの空であることを悟らしめる)。
6.道を究めることは、技芸の道を含め、道と心が一体となることによって、その道の奥を知る(「味合座」といいます)。
7.心の苦悩、妄念のとらわれを解きほぐす([無有結座」といいます)。
8.妬みや、いかりの邪念が消え、慈しみの心が生まれる(「得慈念意」といいます)。
9.仏法の修行と教理、さらに教化方便の力を増大せしめる基礎となる。
10.無心の根源に触れ、悟りの境に達す(「泥おん道」といいます。泥おんとは涅槃のことです。