錦風流尺八の奏法について
HOME > 岡本竹外先生から学んだこと > 錦風流尺八の奏法について

根笹派錦風流尺八の奏法について(2009.12.1)

根笹派錦風流尺八の地元、弘前市で県技芸保持者として長年活躍されまそた松岡幸一郎、松岡俊二郎氏の兄弟が昨年亡くなりました。また、今年になり東京の宗家・井上照影氏も亡くなりました。一つの時代が終わったのでしょうか。ここに錦風流尺八の奏法について述べてみます。錦風流尺八と言えば、コミ息とチギリの味が大切です。そのコミ息というのは、「波浪息」が何かわからず、指導する先生がそれを知らなければ、ますます我流が世に広まるだけです。そのコミ息について、虚無僧研究会の顧問・神如正氏が虚無僧研究会の会報に投稿されました記事は、錦風流尺八を吹かれる方には是非とも読んでほしいものです。その記事を参考までに記載します。津軽の根笹派の曲では、「コミ息」という特殊な吹奏法が必要とされる。これは息を断続的に吹き込む奏法で、曲全体にわたって用いられるが、他の流派では、ほとんど見出すことが出来ない奏法である。根笹派であるとして吹かれる演奏に接しても、確かに「コミ息」だと思われることが少ない。「コミ」に似た効果を期待しているのだろうか、「ユリ」を代用することが多いようだ。しかし、「ユリ」は主に顎や首を振る奏法であり、「コミ」は顎は動かさず、息を断続させる奏法、つまり息使いによる奏法で、両者は全く別のものだ。その音楽的効果も明らかに違ったもので、互いに代用することは出来ない。しかも、根笹派における「コミ息」は、単に装飾的な効果を担っているのでなく、曲の表現の核心を支え、生命を与えるものである。従って、同じ旋律を吹いても、正しい「コミ息」が用いられていなければ、それはもはや根笹派の曲とは言い難い。(以上が神如正氏の記事です)乳井月影師の門下。3名人の一人、宗家を伝承しました永野旭影師の侍吹きの系統では、「コミ息」にユリは全く用いません。また、青森でたくさんの吹き手を育てた津島孤松師の系統もコミ息」にはユリは入れません。町方の手法で有名でした折登如月師は「コミ息」の時に、」かすかにユリを入れたようですが、「コミ息」の代用にしたわけではありません。現代の地付きの細い尺八で、口先で吹く奏法に慣れた人には、腹の動きも理解できず、そのために首振り錦風流になるのでしょう。「コミ息」は呼吸法を身に付けることが基本になります。